涙の頼り

さみしさに
泣いた私はなんて
卑怯なんだろう



そんな日に何故か届いた
やさしい君の便り


鉱石みたいな手触りで
見えないよ私には
また表情はアイロニーなの
背景は読み取れない書類のまま




君が見えないのは
その温度のなさだけじゃないのかな
もしかして




まさか







あの日の夜景
見下ろす街
高い高い塔
幾重にも重なっていた空の色
冬の高貴な風



君の横顔はいつものまま




嗚呼
汚れないゆえの弱さ
私の持ってない強さ



君の探し物が何か
教えてもらえるのかな


ずっと
指が動かなかったの



明日、返事の便り
送ります