みずたまの世界

都の自由な宴や
地方都市の若さ大人しや
秋の日差し
緩やかな足取り



耳をくすぐるは
雑踏とその奥の歌声
見知らぬ貴方にもらった
乱暴なラブレター




嗚呼、
私も知ってる
虚無に近いほどの
ゆったりとした
ぬるま湯の幸福
いとしい
汚れた教室とか
創作の切れ端とか



せまい世界
いつまでも



本当にこの世界は
広いのかなぁ
まぁ端は見えてこないけれど



くらくらと眩暈
みずたまの世界




自分のためなのか
他人のためなのか




自分を殺してまで
創られたものは
愛せず
しかし
人を魅入らせられなければ
ただのごみ




私が成功や幸福、
救いの道への力になれるなんて
微塵も思えなくてかなしいけれど、
せめて綺麗な景色を教えてあげられたり
感情を受けていたい



私は
君や貴方の近くには居ない
大勢の中のひとりだけれど、
何番目かにでも思い出してもらえたらいい







舌はカルピス